3.不動産取引の場面における不動産登記の一般的な流れ
(1)売買契約成立
売買契約が成立すると、不動産屋から登記をお願いしますと連絡があります。
(2)見積書と必要書類のご案内の作成
売買契約書の内容を確認し、不動産登記簿を取得します。誰が所有していて、この不動産にどんな権利が付いているのかを確認します。そして、見積書と今回の登記に必要な書類のご案内を作成し、不動産屋から売主と買主へ伝えてもらいます。
(3)売主の借入先へ連絡
売主が銀行などから不動産を担保にお金を借りている場合、その不動産登記簿には、抵当権というものが登録されています。
抵当権とは、不動産を担保にお金を借りている場合において、お金を返さなかったらその不動産を強制的に売却できる権利のことです。質屋にロレックスを預けるイメージです。質屋にお金を返さなかったらロレックスは質屋に取られてしまいますよね?それと同じです。
不動産に抵当権が付いていたら、抵当権を抹消してからでないと、買主は怖くてお金を払えません。そこで、司法書士が売主の借入先と調整をして、抵当権を抹消する段取りをするのです。
(4)売主と面談
売主と面談をして、登記をするのに必要な書類を預かります。また、委任状などの書類に署名・押印をしていただきます。
この時に、売主が不動産登記簿に登録されている所有者で間違いないことを確認します。売主のなりすましだったらとんでもないことです。お時間があれば、「地面師」と検索してみてください。
(5)買主と面談
買主と面談をして、登記をするのに必要な書類を預かります。また、委任状などの書類に署名・押印をしていただきます。
(6)買主の融資先へ連絡
買主がお金を借りる銀行などへ連絡します。銀行もタダでお金を貸してくれる訳ではありません。万が一、買主がお金を返してくれなくなったら、買主が購入する不動産を強制的に売却して、そこからお金を回収しようとします。そのためには、(3)で説明した抵当権を不動産登記簿に登録する必要があります。これは抵当権の設定などと呼ばれています。
司法書士は、抵当権を設定するために必要な書類を銀行へ預かりに行きます。
(7)決済当日
実際にお金を支払ったり受け取ったりすることを決済といいます。決済当日、だいたい午前中が多いですが、買主の融資先が売主へお金を振り込みで支払います。
その後、司法書士が売主と売主の借入先に電話をして、売主の口座に入金があったことを確認します。入金の確認ができたら、売主の借入先に出向いて、抵当権の抹消に必要な書類を受領します。それから、事務所に戻ってインターネットで不動産登記を申請します。
(8)納品等
だいたい2週間程度で、各当事者へ登記が完了した旨を郵便でご連絡いたします。特に買主は、購入した不動産に関する重要な書類をお送りしていますので、大切に保管してください。
※決済当日に関係者一同が銀行などに集まって、(3)~(7)までを1日で終わらせるパターンもあります。