相続

墓じまいの手続き

はじめに

 墓じまいの手続はどのように行えばよいのでしょうか。また、墓じまいを行うことができるのは誰でしょうか。

1 墓じまいとは

墓じまい

 「墓じまい」とは、墓地や墳墓を解体・撤去して更地にし、寺院や霊園などの墓地管理者に返還する手続きのことです。近年、墓地が遠くにあるため墓参りが難しい、祭祀の継承者がいないため墓守をする人がいないなど、墓の維持が難しい状況から、墓じまいを行う人が増えています。
 墓じまいを行う際には、新しい墓地の管理者や霊園から納骨許可証を取得し、これを市区町村に提出して改葬許可証を取得する必要があります(墓地5、8)。そのため、墓じまいを行う場合は、改葬が伴うことになります。改葬後の選択肢としては、以下の方法があります。
①墓園内で永代供養(合同・合祀)する
②散骨する
③墓園や寺院内の納骨堂に移す
④手元で供養する

2.墓じまいの手続

万年筆と数珠

 墓じまいの一般的な手続は、以下のようになります。
①遺骨の新たな受け入れ先を決定する。
②寺院などに対して墓じまいと離檀の意向を伝える。
③墓地が所在する市区町村で改葬許可申請書を入手し、墓地を管理する寺院や霊園から署名と押印を受ける。
④新しい納骨先(墓園、納骨堂、永代供養塔など)の管理者から納骨許可書を入手する。
⑤納骨許可書を現在の墓地が所在する市区町村に提出して改葬許可証を取得する。
⑥墓じまいを行う石材店を選ぶ(通常は墓地管理者の紹介を受けることが多い)。
⑦墓石を解体・撤去する際に、寺院の住職などにお祓いをしてもらう。
⑧墓じまいの工事(骨壺の取り出し、墓石の撤去、更地にする作業)に立ち会う。
⑨改葬許可証を持って、遺骨を新しい受け入れ先に持参し、遺骨を納める(墓地14、8)。

3.墓じまいを行える者

墓じまいをする人

 墓じまいを行うことができるのは、原則として墓地の使用権者です。使用権者が存在しない場合、使用権者でない親族や死者の縁故者が墓じまいを行うこともあります。また、相続財産の清算を担当する相続人代表者(民952)が墓じまいを行うこともあります。相続人代表者が墓じまいやそれに伴う墓石の処分、閉眼供養、遺骨の改葬を行う場合、家庭裁判所の権限外行為許可審判を受ける必要があります(民953、28)。
 さらに、無縁墳墓などの場合、墓地管理者が墓じまいを行うこともあります。無縁墳墓の改葬許可を取得するためには、墓地、埋葬法に関する法律施行規則第2条に従って、改葬許可の申請書と一般的な必要書類に加えて、以下の情報の添付が必要です(墓地規3)。
①無縁墳墓の写真と位置図
②死亡者の本籍と氏名、墓地使用者など、死亡者の縁故者と無縁墳墓に関連する権利者に対し、1年以内に申し出るべき旨を官報に掲載し、無縁墳墓の見やすい場所に掲示して公告し、その期間中に申し出がなかった旨を記載した書面
 相続が発生した後、長い間墓地管理料が支払われず、墓地管理者との連絡が取れない場合、墓地管理者により公告手続きが行われ、墓じまいが実施されることがあります。墓地管理者による墓じまいが行われてしまうと、特に相続人が墓地の承継に重大な関心を持っている場合には、相続人代理人、遺言執行者、死後事務受任者としては、善管注意義務違反を追及されるおそれがあります(民644、1012③)。したがって、墓地の現状確認、墓地管理者との連絡、墓地管理料の支払いなどを遅滞なく行うことが重要です。
 葬儀費用の負担者や精算に関連する紛争については、福岡高裁の決定(判タ190、218)によれば、葬儀費用は共同相続人の負担とされ、相続財産から精算される可能性があることから、遺産に関する紛争調整調停(一般調停事件)を申し立てる方法が考えられます(家事244)。遺産分割調停においても事実上の協議が行われることがあるため、遺産分割と関連する問題についても検討が必要です。

おわりに

 墓地が遠くにあるため墓参りが難しい、祭祀の継承者がいないため墓守をする人がいないなど、墓の維持が難しければ、墓じまいを検討すべきでしょう。お手続きについては、お気軽にご相談ください。

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