相続

遺産相続は誰に相談すれば良いのか?

はじめに

 弁護士や司法書士、行政書士、税理士など、専門家がたくさんいて遺産相続は誰に相談すれば良いのかよく分からない方が多いかもしれません。そこで、このページでは、遺産相続に関する相談先として、市役所、銀行、弁護士、司法書士、税理士、行政書士を紹介し、それぞれに依頼できる内容とメリット・デメリットについて説明します。

※クリックすると各項目にジャンプします。

1.市役所

2.銀行

3.弁護士

4.司法書士

5.税理士

6.行政書士

1.市役所

岡山市役所

 最近の市役所では、「おくやみ窓口」を設けており、市役所における死後の手続きをサポートしてもらうことができます。

🔶メリット
✅相談無料で相談回数の制限がない
 弁護士や司法書士、税理士などの専門家に相談すると、相談料が発生したり、無料でも同じ相談は2回までなど、回数制限があります。
✅市役所の手続き全般を教えてくれる
 「この手続きは〇〇課です」など、具体的に教えてくれます。

🔷デメリット
✅手続きの代行はしてくれない
 遺産相続に関する手続きはすべてご自身で行う必要があります。
✅市役所の手続き以外に詳しくない
 市役所の相談員は、市役所の手続きに関する知識を持っていますが、詳細な遺産相続に関する知識はありません。また、相談員は自身のアドバイスに関するクレームを回避するために抽象的な表現を用い、すぐに他の窓口を案内する傾向があります。
 結局、「揉めてるなら弁護士に相談してください」「登記は司法書士に相談してください」「税金は税理士に相談してください」と、各分野の専門家に相談するよう言われてしまいます。

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2.銀行

銀行

 銀行員は、社内や社外で相続に関する研修を受けており、遺産相続に関する一定の知識を有しています。また、銀行は様々な専門家と提携しており、遺産相続に関連した様々な金融商品を提供しているため、遺産相続全般についてお手続きを依頼することができます。ただし、費用はかなり高額です。

🔶メリット
✅専門家を探す手間が省ける
 銀行を通じて、様々な遺産相続手続きを銀行が提携している専門家に依頼することができます。これにより、専門家を探す手間を省くことができます。
 また、銀行と提携する専門家の多くは老舗であり、専門家としての能力が比較的高い傾向にあります。
✅幅広い提案をしてくれる
 規模の大きな銀行であれば、扱っている商品も多く、保険や不動産の活用、金融商品など、遺産相続に関連するさまざまな提案を受けることができます。

🔷デメリット
✅費用がかなり高い
 銀行は遺産相続の窓口となるだけで、実際の相続手続きは各専門家が代行します。したがって、直接専門家に依頼するより費用がかなり高くなります。「銀行 遺産整理」と検索してみてください。最低100万円以上の銀行がほとんどで、これとは別に、専門家に依頼する費用はお客様の負担となります
✅営業がしつこい
 銀行員にはノルマがありますから、相続した財産の運用などについて、あれこれ営業されます。営業を断ることが苦手な方や、リスクや運用の詳細を把握せずに金融商品を契約することを避けたい方は注意が必要です。

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3.弁護士

弁護士バッジ

 言わずと知れた法律の専門家です。弁護士には、すべての遺産相続手続きを依頼することができます。弁護士は、司法書士と行政書士の業務が行えますし、申請するだけで税理士になることもできます。
 ただし、現実には、弁護士に司法書士や行政書士、税理士業務を行える知識や経験はありません。そのため、弁護士が不得意な分野については、弁護士が窓口となって、他の専門家に遺産相続の手続きを依頼することになります。

🔶メリット
✅他の相続人と交渉してくれる
 弁護士は、他の相続人と揉めてしまった場合に、お客様の代理人となって他の相続人と、相続財産の取り分を交渉することができます。これに対して、司法書士や税理士、行政書士は、お客様の意見を他の相続人に伝えることしかできません。例えるなら、伝書バトのような存在です。
✅裁判をすることができる
 他の相続人との交渉が完全に決裂してしまった場合、裁判をして白黒付けることができます。相続開始の時点で、他の相続人と揉めてどうしようも無くなっている場合には、最初から弁護士に依頼するのが良いでしょう。

🔷デメリット
✅揉めていない場合は費用が高い
 弁護士は法律を使ってトラブルを解決する専門家です。トラブル解決には時間がかかり、多くの業務をこなせません。そのため、弁護士の費用は高く設定しないと、事務所の運営が厳しくなります。したがって、他の相続人と揉めていない場合にまで弁護士に依頼すると、費用が割高となってしまいます。
✅紛争が激化することがある
 弁護士は、弁護士職務基本規程において、依頼者の利益を守ることが最優先とされているため、他の相続人の肩を持つことができません。そのため、相続人全員が納得できるような落としどころを見つけるのが苦手な傾向にあります。
 また、弁護士の世間一般のイメージは、弁護士=裁判(訴えてやる!)です。弁護士が登場することにより、他の相続人は喧嘩を売られたと勘違いをして、紛争が激化することがあります。

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4.司法書士

司法書士バッジ

 司法書士には、不動産の名義変更(不動産登記)など、紛争の代理や相続税の申告以外の相続手続き全般を依頼することができます。
 司法書士も弁護士と同じく法律の専門家です。特に、不動産の名義変更(不動産登記)に特化しています。また、140万円までのトラブルであれば、弁護士と同じように、簡易裁判所で裁判をすることができます。

🔶メリット
✅費用を最小限に抑えることができる
 遺産相続では、不動産を所有している故人が亡くなる場合がほとんです。そのため、ほとんどの遺産相続の手続きにおいて、故人から相続人への不動産の名義変更(不動産登記)が必要となります。
 不動産登記を行えるのは、弁護士と司法書士だけですが、弁護士に不動産を登記を行える知識や経験はないため、結局、弁護士も不動産登記に関しては、提携の司法書士に引き継ぐことになります。
 したがって、故人が不動産を所有している場合には、最初から司法書士に相続手続きを依頼すると、費用を最小限に抑えることができます。
✅ほぼすべての遺産相続に関する手続きを行える
 司法書士は、紛争の代理や相続税の申告以外の、ほぼすべての相続に関するお手続きを代行することができます。例えば、不動産の名義変更や預貯金の解約、株の名義変更などです。

🔷デメリット
✅他の相続人と交渉できない
 弁護士のメリットで説明したとおり、他の相続人と揉めてしまった場合に、お客様の代理人となって他の相続人と交渉できるのは弁護士だけです。これに対して、司法書士は、揉めている他の相続人に対して、お手続きの内容をお伝えすることしかできません。そもそも他の相続人と揉めている場合には、最初から弁護士に依頼した方が良いです。
✅相続税に関する専門的なアドバイスができない
 司法書士に限らず、弁護士や行政書士も相続税に関する専門的なアドバイスはできません。相続税に関する知識や経験がないため、「こういう制度がありますよ」といった、情報提供をするのみとなります。相続税に関しては、税理士より優れた専門家はいません。

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5.税理士

税理士バッジ

 税理士には、相続税の申告など、税金に関する手続きのすべてを依頼することができます。

🔶メリット
✅相続税を安くしてくれる
 税理士に依頼することにより、様々の税金に関する制度を利用することができます。場合によっては、数百万円も相続税を安くしてもらえます。
✅税務署からの追徴課税(罰金)を払ってくれる
 相続税の計算はとても大変です。株や土地、車、骨とう品などの価格を適切に評価して申告する必要があります。この評価を我流でやって申告すると、その評価が間違っているとして税務署から数十万円~追徴課税(罰金)を受けることがあります。相続税の申告を税理士に依頼すると、追徴課税(罰金)を受けても税理士が代わりに支払ってくれます。

🔷デメリット
✅相続税が発生しないのであれば、依頼する意味があまりない
 税理士は遺産相続の手続きにおいて、相続税の申告以外にできることがほとんどありません。そして、相続税の申告は、故人が最低3,600万円以上(相続人が1人増える毎に600万円加算)の資産を有していた場合に必要となります。

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6.行政書士

行政書士バッジ

 行政書士は市役所の手続きに精通した専門家ですが、自動車の名義変更や預貯金の解約など、一定の相続に関する手続きを依頼することできます。

🔶メリット
✅市役所の手続きに精通している
 故人の市役所に関する手続きのみを依頼したい場合にメリットがあります。
✅自動車やバイクなどの名義変更ができる
 故人が残した財産に不動産はないが自動車やバイクはある場合に、自動車やバイクの名義変更を行政書士に依頼することができます。

🔷デメリット
✅肝心な手続きを代行できない
 行政書士は、他の相続人と交渉ができない、不動産の名義変更ができない、相続税の申告ができないなど、相続手続きで肝心なところを代行することができません。
✅行政書士自身の報酬を確保するため、割高になることがある
 例えば、故人から相続人への不動産の名義変更(不動産登記)が必要となる場合、不動産登記の前提となる相続人調査や遺産分割協議書の作成は行えますが、肝心の不動産登記を行うことはできません。そのため、不動産登記は司法書士に引き継ぐことになりますが、行政書士は自身の報酬を確保しようとするため、相続人調査や遺産分割協議書作成の費用が割高となる傾向にあります。

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 おわりに

 いかがでしたでしょうか? お客様のご事情に応じて適切な専門家を選ぶようにしてください。手前味噌ですが、遺産相続を誰に相談すれば良いのかよく分からなければ、まずは司法書士にご相談することをお勧めします。


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